「・・・うん。小さいころから体が弱くてさ。ずっと入院してる。
自分が何の病気かさえ知らされてないんだ」







そう言って葵は自嘲気味に笑った。







自分の病名を知らないってどれだけ不安なことだろう・・・。





それでも笑顔の絶えない葵を心からすごいと思った。







「病院から外に出るのは極力控えるように言われ続けてさ。
それは今でも続いてるし、多分これから先もそうだと思う。
だから友達を作る機会もなくって」







そう言って葵は笑ったけど、その笑顔は悲しそうだった。