「どうかした?」

「こっ紅崎先輩っ!」

いきなり出てきたからびっくりした

「先輩はどうしたんですか?」

「本のページを探してて」

「本のページ・・・?」

「題名はちょっとね・・・
何の本持ってるの?」

「えっ・・・
これは・・・えーっと」

コトッ

後に隠してた本が落ちた
それを紅崎先輩が拾った

「たまたま見つけて
戻そうとしてたとこです」

「・・・らーちゃん」

「はい?」

いつになく真剣な顔に
俺も真剣になる

「この本読んだ?」

「ちょっとだけ・・・」

「ならさ、ここのページ読んだ?」

「はい・・・」

「この本、凄く気になるんだよね」

もしかして先輩は
人を信じることが怖い・・・?

「怖いんですか・・・?
人を信じることが」

もしそうなら・・・

「・・・・そうだよ」

私と同じだ・・・・
ケド先輩は私みたいに
なってない・・・
だから救いようがある

「聞いて・・・
くれるかな?」

「はい」