「そうか?じゃあ俺は一旦事務所に戻るから、ファンにバレないように気をつけて帰れよ?」
 「解ってるよ、お疲れ様。」
 創志はそれだけ言うと、帽子を深く被って伊達眼鏡をかけて外に出た。
 「こんな早い時間は久しぶりだな…。」
 外に出た創志は空を見上げた。
 暖かくなった春の日差しが降り注ぎ、鳥が飛び、桜が舞っていた。
 「さーってとっ、どこ寄って帰るかなっと…っ。」
 創志は大きくノビをする。

 「ここら辺も変わったな…。」
 俺は街をゆっくり歩きながら周りを見渡す。
 「しばらく来ないうちに、デカい建物建っちまったし…。」