「なんで…?なんで俺に黙って出て行くんだ…っ。」
 一人の男が部屋の入り口に立ち、強く握り拳を作って体を震わせる。
しばらくの沈黙の後…。
 「カーットッ!!オーケー、今日の撮影終わりまーす。」
 「お疲れ様でしたぁー!!」
 終了の言葉と同時にスタッフは片付けに入る。
 「お疲れ、創志。今日は終わりだ。
このまま帰るか?」
 「良いよ、聖治さん。久しぶりに早いから歩いて帰るよ。
この辺なにがあるのか見てみたいしね。」
 創志と呼ばれた男は汗を拭きながら、スタスタと歩く。