「……じゃあ、あたしは行くね……」



え……もう行くのか?



彼女はオレに背を向けると、髪を揺らしながら校舎の方へと消えていった。




オレは彼女の後ろ姿を、消えるまで見送っていた。




桜の花びらがチラチラと散っていく。




君はこの瞬間が好きなんだな……。



分かる気がする……。



君とオレが出会った特別な場所……。




いまでも変わらない。




桜の樹が教えてくれた……。



幸せを運ぶために散っていくんだって……。