「結局…わかったことはノアとメドゥーサは、何ら関係があった…ってコトぐらいかな。」
垂れそうになる鼻水を啜りながら、メドゥーサは泣きつかれて木にもたれ掛かっていた。

ノアの手を握ったまま…。

「十分な収穫だと思うケド?」
メドゥーサがノアを見上げる。
「だって…変じゃない?中身も知らないモノのメロディーをアンタは知ってて…しかも歌詞まで付いてて。」

「まぁ…ね。」
ずり落ちる体を起こして、メドゥーサは天を仰いだ。
ノアもつられて天を仰ぐ。
「あの歌詞…先代メドゥーサが作ったらしいよ。…ま・当然だケド。」
ノアは眉をひそめた。
「は?何で当然なの?」
「あれ?知らなかった?『メドゥーサ』と名が付くのは先代とオレの2人だけなんだぜ?
この前死んでようやく世代交代?ってヤツ〜。」

ノアが凍り付く…。

「え――ッ!!!」
耳元で叫ばれ、メドゥーサは顔を歪めた。
「うるっ…せぇな!!いきなり叫ぶなよ…」
「先代とアンタしか『メドゥーサ』はいないって…。
ならアンタが『メドゥーサ』になるまで先代は何百年も生き続けていたってコト?」
ノアが間髪を入れずに食い付く。
「そぅゆぅコト。」
メドゥーサは眠たそうに目をこすり、欠伸をした。
「…ねぇ。なら、なんで先代は老けてないの?」
ノアの困惑した顔がメドゥーサを覗き込む。
「んなもん、僕が知るかよ。」
半ば面倒臭そうに答える。
「アンタも容姿が変わらず生きてるなら、まだ理解できるわよ?
でも、アンタ、昔逢ったとき子供だったじゃない!?
アンタは明らかに成長してるのよ?」


メドゥーサの目が見開かれる…。眠気が一気に吹っ飛んだ。