「ここはいつ見ても変わりませんね…。
いつだって綺麗な色を馳せてる。」


目を細めて男が見るのは、一面の花畑。
町の外れにあるこの花畑には、様々な色の花が、風に揺れている。


「今日は生憎の空模様で、いつもよりも美しさは劣りますが、それでも悠然と咲き誇っています。」


「…………………。」


「本当に素晴らしいで…「直っ……!!」」


会話の途中女が叫ぶと、直と呼ばれた男は話を辞めた。


「私はっ…、私は……「秋桜(あきお)様。」」


秋桜と呼ばれた女の話を今度は直と呼ばれた男が静かに遮る。