「はい。」


400円をあたしがお金を置いたところに置く白石くん。


あたしはそんな白石くんをじーっと眺めてた。


白石くんはあたしの視線を感じて、焦ったようにまたキョドる。


「はい、丁度ですね。
こちら、入場券になります。」


タイミングが悪いんだかなんだかなお姉さんが入場券を差し出した。


カップル割のチケットは通常のチケットとは違うみたいで、ピンクの可愛らしいチケットだった。


それぞれ、右側と左側に手を広げたパンダのイラストがあって、二つを並べるとパンダの手の部分がハートに見える…。


という、なんとも女子向きなチケット。


でもあたし、残念ながらこういったものに
「可愛いーっ!!」
とか言えないタイプなんだよね。


あたしが無言でそのチケットを眺めていると、


「…可愛いね。」


そう言ってニコッて笑う白石くん。


なんか…白石くんのほうが可愛い。

女子のあたしより。