「へぇー、蒔田が風紀委員長ねぇ…。」


意外すぎる。
ただのナルシストなチャラ男だと思ったわ。


「昔は眼鏡だったし、学ランも一切乱れてませんでしたよ。
先公…あ、いや、先生にもとても信頼されていたみたいですし。」


笑いながら渡部くんは言った。


…蒔田が眼鏡の真面目くんて…。
想像つかない。


そしてどうでもいいけど先公って古いよ渡部くん。


「一緒にいた白石はそこまででもなかったんですけどね。」


…今、白石って言った…よね?

まさか、白石くんか!?


「し、白石って…
白石拓斗?」


あたしが物凄い勢いで聞いたからか、渡部くんは少し驚きながらも、


「あ、はい…そうです。」


と言った。


なに?
あの2人は同中だったの!?


「白石くんのこと、詳しく教えて!」


「い…いきなりどうしたんですか。」


「あたし、白石くんの彼女なの!」


そう言うと渡部くんは目を見開いた。


「え…白石の、ですか?」


な…なに?
なんでそんなに驚くのよ…。


「なんか…駄目なの?」


「駄目じゃないですけど…意外だなーと思って…はは…。」


怪しい。
怪しすぎる。


「なにが意外なのよ。」


「…まぁ、それは中学時代の話になるんですけどね…。」


そう言って渡部くんは自分の過去を話し始めた。