「ちょ…蒔田!!
うるさっ!!」


南野莉子は耳に手をあて、嫌な顔して俺をみる。


「ご…ごめん……」


な…何故だ。
何故、あのチキンなんだ。

他にも男は沢山いるぞ南野莉子ー!!


「そんなに驚くなんて…まるで白石君が変人みたいじゃない。」


いや、あいつ正真正銘の変人だから。


「白石君てさ、シャイなのかな?
あ、あたし無口な人結構好きだからいいんだけどね」


うっとりしながら喋り続ける南野莉子に、もはやなにも言えない俺。


シャイ?

いや、あいつただの話し掛ける勇気がないチキンですから。


無口?

いやいや、ウザいぐらいおしゃべりですよ。
変なキャラになるし。


「……蒔田?」


「あ、はい!!」


「協力、してくれるんだよね?」


嬉しそうに言う南野莉子に……

あいつはやめとけよ

とか、お決まりなセリフが言えるはずもなく……


「うん……」


協力することにしてしまった…。


「わーい!!
ありがとう蒔田。」


ルンルンな南野莉子の後ろ姿を、
拝む俺がいた。


チーン…
ご愁傷様です。