「…ねぇ莉子ちゃん。
彼氏がこの状態になる前後、この婆さんを見なかった?」
そう言って莉央さんはパチンと指を鳴らす。
すると目の前に霧のようなもやもやしたものが現れ、それは段々人の形を現した。
そして、そこには紛れもないチキンばばぁが。
「見ました。」
自分でもびっくりな即答。
「……厄介ね、チキン婆さんの呪いなんて。」
莉央さんは軽い舌打ちをして、小さな黒いハンドブックを取り出した。
そこには、
『日本の呪術者とその対処法』
と、白い字でデカデカと書いてあった。
「えーっと……
あ、あったわ。
チキン婆さんの呪いの対処法は………
………え?」
莉央さんは眉間にしわを寄せて本を覗き込む。
「どうかしたんですか?」
莉央さんを見るあたし。
「………莉子ちゃん、ちょっとごめんね。
そこで馬鹿兄貴と待っててくれる?」
そう言って莉央さんは渡部くんの服を鷲掴み。
「いって…なにすんの。」
「いーから、ちょっと来て!」
そう言ってズルズルと引きずられる渡部くん。


