「…そう。
一応コイツ数時間前まで人間だったから。」
渡部くんがまたサラッと言ってさりげなく弓矢から離れた。
…そうか、莉央さんはそもそもそこから知らなかったのか。
あんぐりと口を開けて驚く莉央さんに納得するあたし。
「…ま、まさか。
チキン婆さんの呪い?」
莉央さんは慌てたように弓矢を地面に置き(さりげなくあたしの願いが叶った!)、
鶏をじーっと見る。
というより観察する。
…てゆか、チキン婆さんの呪いって。
「あの…莉央…さん。」
恐る恐る話しかけると莉央さんは、
「あぁ、えっと…莉子ちゃん?
彼氏、って本当に本物の人間だったんだね。
ごめんねファンタジーとか言って。
彼氏こんなんで辛いのに。」
何とも申し訳なさそうにする莉央さん。
…うん、そんなこと言われてたね。
すっかり忘れてたのにな―。
謝罪がまさか裏目に出るとは。
莉央さんは知る由もない。


