「ぎやぁぁぁあああっ!!」
またしても鶏が人間のような悲鳴をあげる。
但し、今回はかなりガチ。
なんてったって生きるか死ぬかの世界だからね。
「白石ぃいいぃ!!」
我に帰って叫ぶお兄さんの後ろでなす術もなく落下していく白石くん。
ごめん…ごめんよ白石くん。
白石くんのことは記憶に止めて、生きていくね…!
私は心の中で覚悟を決め、目を逸したその時!
「馬鹿やろー!!
鶏なんだから、とべ!」
そう叫んで走ってきたのは、背中に矢が刺さった渡部くん。
その声にハッとする鶏。
地面スレスレで羽ばたき、緩い着地に成功。
「えっ…そこはちゃんと鶏なんだ。」
驚きで思わず独り言を呟く私。
…ちょっと待って、今重要なとこサラッととばした。
もう一度内容を整理しよう。
私の悲鳴。
白石くんの悲鳴。
鶏落下。
お兄さん驚きの形相。
渡部くん背中に矢を乗せてやってくる。
最後のココ、重要だった。
…………………
とりあえず、自分の心配しようか渡部くん。


