木々が気味悪く鬱蒼とした中をぬけると、

突如現れる不気味な赤い鳥居に、

心が踊るのは、初夏だからでしょうか。


…そうだ、呪術者に会おう。


………………。


「…って、マジでここにいるの!?
あんたの元カノ!!」


地元からバスで1時間。
目の前には心霊スポットだろってくらい不気味な超古めかしい神社。


「…ったくギャーギャーうるさいなお前は。
心配しなくてもいるよ。」


渡部くんはニワトリを抱えながら堂々と鳥居を跨いだ。


「いやあたしが心配してるのはそっちじゃない!!」


行くのも嫌だけど、こんなとこに1人置き去りなんてもっといやだ。
慌てて鳥居を跨ぐ。


すると前方にいた渡部くんが突然しゃがんだので、またまた慌ててしゃがむ。


すると頭上でシュッとなにかが風をきる音がした。

…つーか弓矢みたいなのが後ろの木に刺さったのは気のせいかしら。

前方から人影が見える


「チッ…よけやがったなこの変態野郎。
つーかなにお前ウチの敷居に入ってきてんだボケ。」


という恐ろしい言葉とともに現れたのは、
正しくあの元カノ、赤井莉央である。