「ねー、そこの君、1人?
よかったら俺らと遊ばない?」


チャラそうな男に囲まれたあたしは、冷めた目で彼らをみる。


「1人じゃない。
彼氏と一緒。」


そう言うと、え?、と言いながら彼らは笑い出す。


「彼氏って…
君、1人しかいないよね?」


あたしは、やれやれと首を振り、大きなトートバックから“あれ”を取り出す。


「コレ、あたしの彼氏だから。」


そう言って鶏を差し出すと、鶏は、


「そ…そういうこと…です。」


と、どもりながらも呟く。


その光景に驚いた彼らは、


「ギャー鶏がしゃべったぁぁぁあ!!」


と、一目散に去って行く。



………………。



「ぎゃあぁあぁっ!!」


いや…嫌だっ!!
そんなナンパの断わり方……!!


頭を抱えるあたし。


「…起きて早々騒がしいなお前は…。」


隣りからむくっと起き上がってきた男。


「……えっ…てか…ここどこ…
なんであんたがあたしと…ってかまさか、
あんたピーしてないわよねー!?」


隣りにいた男は、渡部くんだった。


「はっ!?
するわけねーだろ、お前みたいな暴力女と。
お前が気絶したから仕方なく公園の芝生で休んでたんだろーが!!」




南野莉子、15歳。
ただいま絶賛パニック中です。