「…てゆーかさ、この小説ファンタジーじゃないんだろ?
コメディーなんだろ?
今のこの状況全然笑えないんだけど。」


渡部くんは気絶した鶏を見ながら言った。


「じゃあ、もういっその事さ、水沢(作者)に言ってファンタジーに変えてもらう?」


ファンタジーに変えたところで、どうにもならないんだけどね。

てか、なんちゅーこと考えてくれてるんだ水沢。


「ふ…二人とも何訳分んないこと言ってるんだよ。」


由宇くんが困惑したように私達を見る。

そして、なにか思い出したらしく、ハッとなって再び口を開く。


「………あ!
そういえば、あのおばさん…!」


……おばさん?


由宇くんが、必死に指差す先には、人込みに紛れても容易に見つけ出せるあのおばさんがいた。


…………まさか。


「あのおばさんが、なんか呪文唱えたら、白石が…。」


由宇くんが言い終わらないうちに、あたしはおばさんに向かって走り出す。


あんの…チキンばばぁーっ!!