「えっ…!?」

広瀬は困ったように目をパチパチさせた。


「あ、いや、白石、コイツは…」


俺が慌てて止めに入ろうとしたが、その前に、


「バッ……馬鹿やろ、お前あれは、ヤンキーの彼女だろ!?」


蒔田がしっかりしろと言わんばかりに肩を掴んだ。


それでもなお、白石は取り付かれたかのように広瀬を見つめる。
そして…。


「お、俺と…付き合ってくれませんか?」


……言っちゃった。
言っちゃったよ、おい。


広瀬は、少しだけ考えるようなしぐさをする。


って……口が笑ってる!!
堪えろ、バレるぞ、広瀬!!


「……うーん…いいよ♪」

そう言ってニッコリ微笑んだ広瀬。
俺には、ほくそ笑んでるようにしか見えないが…。


つーか、楽しそうだな、広瀬。


白石はその言葉に、嬉しそうに微笑んだ。

そんな白石に向かって、

「あ!あたし男なんだけど、平気?」


そう言って笑う広瀬。
コイツ…悪魔だ。


すると途端に血相を変えて、白石はすっ飛んでった。


それを見て蒔田も、慌てて追いかけてった。


…恋する心、プライスレス。