チキン彼氏を救出せよ!!



「…げ。
お、おま……う、嘘だろ。」


碧は、思いっきり引いているようだ。


「嘘でそんなこと言うわけ…」


「この変態!
馬鹿っ!」


碧はそう言ってよよよと泣き出した。


「…なんか、お前のほうが変態に見えるんだけど……。」


「莉央はどうすんだよ!
お前、ふざけんなよ!」


そう言ってパンチをお見舞いする碧。


…そんなマジで殴んなくても…。


唇が切れ、少し血が出てしまった。


この騒ぎに、クラス中が俺らに視線を向けた。


もちろん、小田切も。


「……馬鹿野郎。」


少し手を震わせたまま、碧はそう言って出ていってしまった。


………。


「大丈夫ー?
変態渡部くん。」


まんざらでもないように微笑みながら、小田切は言った。


まぁ…予想どうり、だったけどな。


「…………渡部。
ちょっと外行かない?」


この状況でそう声を掛けてきたのは、神田だった。


「………いいけど。」


おとなしく後を付いて行く俺。


……神田も、罵るのか?