「爆発の時間だわ…」
なんとも冷静な表情でセイが呟くと、倉庫の外で地響きを伴った爆発音が幾つか聞こえてきた。
その振動で、倉庫の壁が小刻みにビリビリと震える。
「何だ、これは?」
何も事情を知らないドボンは、落ち着かない様子で倉庫内をキョロキョロと見回す。
「おいっ!ちょっと外の様子を見て来い!」
数名の部下にそう命じると、辛辣な表情で腕を組むドボン。
(なんとも嫌な予感がする…あの音はどう考えたって爆発音だ…この近くで何か建物の解体でもやっているのか?
それにしたってこの音は大きすぎるぞ…)
ドボンの中で渦巻く疑念…この稼業を長年やっていれば、自然と身に付く危険を嗅ぎ分ける嗅覚。
ドボンは、その嗅覚が鳴らす警鐘をしきりに感じながら、苛ついた様子で部下達が出て行った倉庫の出入口を見つめていた。
やがてその扉が勢い良く開き、血相を変えた部下達が戻って来た!
「大変だジェームズ!」
「どうした!」
「アナタの『ドボンカー』が爆発で木っ端微塵に!」
ドボンの顔から、血の気が失せていった……
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