チャリパイ13~ジョン・レノンの幻の楽譜~




そんな中……



セイだけが少し気まずそうな表情で、ぽつりと呟いた。


「やっぱりマズかったかしら…」


「えっ、マズかったって何が?」

















「人質交渉がこじれると思って……前もって色々と仕掛けてきたのよね……爆弾とか」



「え゛!!!」



まさか、こんな雰囲気に落ち着くとは思ってもいなかったセイが、この埠頭の至る所に爆弾を仕掛けておいたのだと言う。



さすがは同業者の間でも恐れられているという『必殺爆弾仕掛人 セクシー・セイ』である…作戦に抜かりは無い。



「もうすぐ、建物の周りから爆発するわ…」


「こんな平和的な歌聴かされてるそばから爆弾かよっ!」




そんなチャリパイ~アルカイナ連合の耳には、ラノンの歌声が痛烈に突き刺さる。


「♪どれだけ~街を~焼き尽くせば~君の気は収まるんだ~♪」



「耳が痛い歌詞だね…」


メンバーのシンが、そうしみじみと呟いた。