そんな中……
セイだけが少し気まずそうな表情で、ぽつりと呟いた。
「やっぱりマズかったかしら…」
「えっ、マズかったって何が?」
「人質交渉がこじれると思って……前もって色々と仕掛けてきたのよね……爆弾とか」
「え゛!!!」
まさか、こんな雰囲気に落ち着くとは思ってもいなかったセイが、この埠頭の至る所に爆弾を仕掛けておいたのだと言う。
さすがは同業者の間でも恐れられているという『必殺爆弾仕掛人 セクシー・セイ』である…作戦に抜かりは無い。
「もうすぐ、建物の周りから爆発するわ…」
「こんな平和的な歌聴かされてるそばから爆弾かよっ!」
そんなチャリパイ~アルカイナ連合の耳には、ラノンの歌声が痛烈に突き刺さる。
「♪どれだけ~街を~焼き尽くせば~君の気は収まるんだ~♪」
「耳が痛い歌詞だね…」
メンバーのシンが、そうしみじみと呟いた。
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