「それにしてもドボンの野郎!汚いマネしやがって!」


チャリパイとアルカイナが手強いと知るや、いち早く作戦を変更したMI6。


やり方は卑劣だが、見事にこの楽譜争奪戦のイニシアチブを穫ったと言える。



「おいシチロー…これ、お前らのメンバーに配っとけ!」


そう言って、ふいに羽毛田がシチローに何やら紙袋に入った塊を手渡して来た。


「何、これ…?」


シチローは、ずっしりと重い紙袋の中身を覗き込むと、怪訝そうな顔を羽毛田に向けた……



袋の中には『ベレッタ』が5丁…勿論オモチャでは無い。



「マジで?」


「ああ…用心に越した事は無い。仮にも相手はあのイギリス諜報部MI6だからな!」


そんな羽毛田の横顔は、シチローにはいつになく真剣そのものに見えた。





「羽毛田…………………お前……………………」



「なんだ…………?」















「鼻毛切った方が良いと思うよ………………」




「・・・・・・・・・」