そんな、喜びの宴もたけなわの頃だった。


夜も遅い時間に森永探偵事務所へと、思いがけない一人の来客がやって来た。


「ん?誰か来たみたいよ……」


「一体誰だろう、こんな時間に……新しい依頼だろうか?」


首を傾げながらシチローが玄関先のドアを開けると、そこには……


夕方、少しの間あのチビちゃんを預かってあげた母親の朧 月夜が、蒼い顔をして事務所の中に駆け込んできた!



「皆さん!どうか助けて下さい!ウチの娘が…」


「どうしたの?お母さん…」


「さっき、数人の外国人が娘をさらって…こんなメモを!」


尋常ではない取り乱し様で、朧はそのメモをシチローへと手渡す。


シチローが受け取ったそのメモには、日本語でこう書かれてあった。












《貴方の娘は、我々『MI6』が預かっている。返して欲しくば、森永探偵事務所に行き『レノンの楽譜』を下記の場所に持参のうえ、ひきかえに応ずる旨を伝えよ。

日時 12月25日 PM12:00
場所 〇〇埠頭   》