「上は渋滞してるけど、ここならスイスイ行けそうだな♪」



運転手を手伝う為に一緒に図書館へと向かう事になったシチロー達は、図書館に一番近い駅へと進路をとり、そのまま地下鉄の線路の上を走っていた。



「もうすぐ駅だ。
上を走っていたら、今頃渋滞で動きが取れなくなっていたところだよ……地下に潜ったのは、意外と正解だったかもね♪」


「まったく……コレじゃ、道路交通法もへったくれも無いな……」


そう言って、自分の行動を正当化しようとするシチローに呆れながらも、あの時、道に迷って襲撃現場で立ち往生していた運転手は密かに胸をなでおろしていた。



線路の上を走る事、約三十分。



やがて、それまで真っ暗だった線路上はトラックが駅に近づくにつれて、徐々に地上から漏れる光で明るさを増していった。