その頃、シチロー達と詩人の涼風はあてもなく新宿の街中を歩いていた…


「こんなあてもなく歩いたって、何も見つからないだろ…」


「そうですよね…どこかその辺に『MI6』でもいないかな♪」


アルカイナのサトと同じような事を言うシチローの台詞に、てぃーだが呆れた顔で呟いた。


「イギリスの諜報部員が、そんなに簡単に見つかる訳ないでしょ!」



と、その時。



シチロー達の前を歩いていた外国人が、ポケットから何かを落としたようだ。


すぐ後ろを歩いていた子豚が、それを拾い上げた。


「ン?何かしらこれ…」


一瞬、財布かと思われたその落とし物はよくみるとその外国人の身分証らしかった。


それを覗き込んだひろきが、その名前を読み上げる。



「え~と……MI6エージェント『ジェームズ・ボンド』だって……」



「なんだって!!」



ひろきの発した名前に、一同は驚愕した!


「ジェームズ・ボンドだってぇ?」


「日本に来ている諜報部員って、あのジェームズ・ボンドだったの?」


「女王陛下から『殺しのライセンス』を受けているという、あの男か!」


「どんな女性もメロメロにしちゃう、ナイスガイの!」


「あの、コードネーム『007』が!」


やはり、レノンの楽譜は存在したのだ。


そして、その楽譜を手に入れる為にMI6が東京に送り込んでいたのがあの『007』だったとは!