――サヨナラ そう言われると思った。 走って来た先は、海。 俺と仁が初めてデートした場所だ。 もう夜は遅く、辺りはいいしれぬ暗闇に包まれている。 「ぅ……ヒック…ッ」 溢れ出す涙は止まらない。 顔を膝に埋めて座る。 唇を噛んで、心の痛みをやり過ごしてみるけど全く駄目だった。 「仁…さよならなんかやだよ」 独り言を言ったって、答える人はいない。