"アレ"というのは、今日の生徒会朝礼のことだろう。


「そういう、葵こそどうしたんだよ?」

すると、葵は顔を赤らめながら答えた。


「オーケーした」

「本当なのか、それ?」

「あぁ、そっちの方がイジメられなくて済むし」

「まぁ…たしかに」


葵がこのことに賛成したことに少し驚いたが、理由を聞かされると納得できた。



その時、葵の後ろから

「ねぇ、紅葉ちゃんってばまだ納得しないの?」

と、晃先輩が聞いてきた。



「ま―、はい…」

そう言うと、晃先輩の横にいた仁が、少し悲しそうな顔をした。