愛とギターとガラクタと

「それに、自分ん家の娘二人揃って、どこの骨かも分からない男に惚れちゃうんじゃ、よく思わないでしょ。アンタ見た目、相当軽いし」


俺は固まった。
そして脱力して、お前なぁとため息をついた。


「何で、そうやって昔のこと引っ張り出して、普通に話せるわけ?」

「は?何が」

「だから、俺たち…」


葵は、専門学校の帰りにいつも一緒の道を帰る女だった。
夜道、危ないと思って声をかけたら、痴漢と間違われて散々。


それから、帰りに会うとよく話をするようになって、いつのまにか付き合うようになっていた。


窓をのぞけば、すぐお隣。
夜はいつもそこで話したりして。

近いとは言っても、精一杯体を乗り出して手を伸ばしても、手は届かないくらいの距離だ。


雨の日は、お互いを見ながら電話。
ケンカすると、葵の部屋のカーテンは完全にシャットダウンされた。
星の夜は、一緒空を見上げた。


どうにかベニヤ板でも置いて、お互いの部屋を行き来できないか考えたりしてた。



でもだんだん、お互いの嫌な所が見えてきて、なんとなく、なんとなく、二人の愛は小さくなっていって、しまいには、破局。


俺は結構へこんでたのに、葵は、次の日から普通に話しかけてくる。


どういう神経してるんだ?
だけど結局、葵のペースに流されてこうして親友に逆戻った。


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