愛とギターとガラクタと

ちょっと待ってくれ。

改めて考えたら、一体全体、何で俺みたいなダメ男なんかに、そんな重大な未来が託された?俺は自分のことだけだって、いっぱいいっぱいなのに。


マジで俺、泣いてもいいっすか?


詩織ちゃんは、葵の年の離れた、病弱な妹。

気がつくといつも葵の部屋から、俺のことをじーっと見ていた。
いつもぬいぐるみを抱えて咳を繰り返して、外にも遊びに行かずに、俺の部屋を見ていた。

大きな綺麗な瞳でじっと見られると、さすがの俺もたじたじした。

でもその笑顔が天使みたいで可愛くて、俺はつい調子に乗って、手を振ったり、あっかんべーをしたりしてかまっていたら、いつのまにかなつかれてしまった。



「つーかさ、俺、お前ん家の親にも、よく思われてねぇからなぁ」

「ああ、家の両親、バカみたいに厳しいから」


詩織ちゃんを笑わそうとかまっている所へ、母親が現れたことがある。
『いけません。あんな人に関わっちゃ』


葵と一緒に帰ってきて、家の前で喋ってたら、玄関を開けてまた怪訝な顔。
『早く入りなさい、葵』



俺は何者だ?怪物か?
俺には、よっぽどオバサンの方が、鬼婆に見えるよ。


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