助けてくれ!
誰か、俺をここから出してくれ!
もがいて、もがいて、もがき苦しんで、やっとまっとうな人生を歩もうと決心して、
もう音楽から手をひこうと考えた。
よくも悪くも、俺の人生を狂わすものとは縁を切るべきだと思った。
相棒のギターを壊してしまおうと決めたんだ。
塵になるくらい、粉々に。
そうだよ。そう決めたのに。
「曲を書けだ~?」
「うん」
葵は床にぺたっと座り込んで、俺の部屋のCDを物色しながら笑う。
「無理」
俺はギターに手を伸ばす。葵は小さく悲鳴をあげて、慌ててひったくった。そして甘えた声を出す。
「ねえ、航」
「やだね」
俺はどかっとイスに座って、タバコを一本口にくわえた。ライターがない。俺はその辺を適当に物色していると、葵が大げさに頭をさげた。
「お願い!詩織のために!」
「何だって?」
「お願い。歌ってよ、航…」
俺は葵からワケを聞き、断るに断れない状況になってしまった。

