「私も聴きたいな。久しぶりに航の歌。好きなんだ。楽しみにしてる」 葵は、まばたきをして、俺の目をじっと見てから荷物を持って部屋から出て行った。 俺の胸は高鳴る。 思わず、ごくっと唾を飲んだ。そっとギターに目をやる。 詩織ちゃんに贈る曲。 もしくは、葵に贈る曲。 俺の人生、最後に作る曲。 もしかしたら、遺作になるかもしれない曲。 いや、それは大袈裟だけど。 急に怖くなった。 何か俺は、ものすごいものに挑戦しようとしているんじゃないだろうか?