言いながら、煉は私を持ち上げた。



と言っても、お姫様抱っこじゃない。



高い高いする時みたいな抱き上げ方。



「煉…やりすぎだよ?」


私は抱き上げられたまま煉の頬をつついた。



「姫南を殴ろうとしてただろ?当然の報いだ」



煉はサラッと言った。



「私は大丈夫だよ、ちょっと目が回っただけ」



クスクス笑いながら、私は煉の頭を撫でた。



「目が回った?チッ…あの野郎あと一発殴ってやる」



煉は忌々しそうに言った。



「大丈夫だって!心配してくれてありがと、煉♪」



私は煉の額にキスした。



「仕方ないな、今度やられたら絶対言うんだぞ?」



煉は私をゆっくり降ろした。



トンっ



「私には煉がいるから大丈夫だよ」



私はそう言って煉に抱きついた。



「それもそうだな」



煉はそう言って私の額にキスした。