男子の後ろを見ると、冷めた目をした煉が立っていた。



「邪魔だ、退け」



冷たく言い放つ煉。



「はぁ?ざけんなよゴラァ!!」



当然、男子はキレて煉に向かっていく。



でも…



煉の狙いは、そこなんだよね。



「きゃぁぁああ!!」



何も知らない女子達が叫ぶ。



ニヤリと、煉の口角が上がった。



あーあ…



バキィッ



煉の蹴りが男子のお腹に入った。



「ぐぁっ!!うう…!」



男子は苦しそうにお腹に手を当てる。



「榊、捨てとけ」



煉は横にいる榊君に言った。



「わかりました」



そう言って、榊君は男子の首を掴む。



ズルズルズル…



引きずられて行く男子。



「大丈夫か、姫南」