「姫南、また行くの?」



親友の皐月が呆れたように言った。



「もちろん♪」



私は言ってから走り出した。



「ったく…気をつけなよ~?」



皐月が私の後ろで叫んでる。



「ごめんね、皐月!」



私は振り返って両手を合わせた。



「ちょっ…姫南、危ないよっ!」



皐月が叫ぶ。



「へ?」



どんっ!



「きゃあっ!」



体が床に打ち付けられる。



「いたた…」



慌てて顔を上げる。



「いってーなぁオイ!!」



銀髪の男子が私の首のところを掴んだ。



「きゃあ!?」



「いてぇんだよ!このクソアマが!!」



ガクガクと揺さぶられる。



め、目が回る~!



「おい」



響く低い声に、男子の手が止まった。



この声…



「んだぁ?お前…正義の味方気取りかぁ!?」



「煉!?」