水に燃え立つ螢

手紙の最後


『流星への手紙を届けて欲しいの…貴女は流星の娘なの』


恐らく、命の長さを知った時書かれたものだと思った。



再び箱を開けて、父に宛てた手紙を手にした。

何枚書いたんだろう…


きっちり糊で封がされていて、私が読むことはできない。



この重みが母の気持ちだ。


すぐに見つかるなんて思っていない。だけど、これは必ず父に渡さなければいけない。


母の手紙に記された父の住所と、携帯の番号。

そのどちらも、父に繋がるものではなくなっていた。



全く、何の情報もない場所から始めること。

顔を知らないこと。

あらゆる不安が伴っていた。



昔に一度だけ、父のいないことを尋ねたことがある。

その時、母は言った。


父は死んだと…



本当のことを話せない程、母はまだ過去にできなかったのだろうと、手紙を読んで思った。



私を育てながら、どれだけの想いを消してきたのか。


母は母であり、また、『凛』だったのだ。