水に燃え立つ螢

「流星…」



終わりを、区切りを、私がつけるの…?


私にできるの…?



胸が痛んで仕方ない。
涙が止まらない。



「凛…別れられない」



私もそうだった。


流星の言葉を聞くまでは。





だが、流星は父親になる。
私が奪ってはいけない。

決めてきた筈だ。




「帰ろう…流星」



流星の身体の下で、動きにくいまま衣類を直し始めた。
流星は運転席に戻り、力なく車の天井を見上げている。

私は鞄の中から煙草を取り出し火をつけた。

だが、火が眩しくて煙草に上手く火がつかない。



「凛…」

「ん?」


ようやく火がついて、最初の煙を吐いた。


「一緒に死なねぇか?」






流星の横顔は涙が溢れるばかりで、苦しそうに歪んでいた。


「ダメよ」

「無理だわ俺」

「きっとね、今だけ苦しいの…時間が経てば…」

「無理だッ!」




突然エンジンをかけ、登ってきた山を下り出した。








流星…本当はね
私は貴方となら、
何時死んだって構わないの…

本当はね
貴方がいなくちゃ、
生きていけないの…



本当は


離れたくなかったの…