水に燃え立つ螢

流星によって倒されたシートに、二人分の涙が吸い込まれていく。



どれだけ想っていても、
どれだけ願っていても、


もう、最後。



流星の指はいつも以上に激しく、流星が入ってくるまでに二度も波に飲まれていた。


「…凛」

時々名前を呼ばれ、流星の顔を見る。



ただ、愛しくて。
ただ、愛してて…。




狭い車内、二人して何処かに身体をぶつけながら、ようやく流星を感じた時、頭の中の白い波が嵐のように暴れだした。



「流星…ッ」









失ってしまうこと



もう、会えないこと



確かに愛されたこと



そして



確かに愛したこと







流星の与える波間で、かけがえのない大切なものを見た。












波は待ってくれない。


永遠が




通り過ぎた。





果てた身体をお互い抱き締めながら、触れたくない結末を遠ざけた。


無言で伝わる感情。



それは紛れもなく、同じ高さに居る証。


同じ場所に居る証。





こんな人は


もう、何処にもいない。