水に燃え立つ螢

「凛、俺の心はお前のものだ。それは変わらないんだ…だけど、やっぱり、俺は父親にならなきゃいけねぇ…そう思うんだ」

「分かってるわ」



「一生、愛してる」



流星の言葉の切れ端が、穏やかに保っていた心に刺さる。痛みが痺れて、思考をフラつかせた。






「愛なら…」


言いかけて言葉が止まった。


「凛…?」

「愛なら、此処にあるわ」


拳を胸に押し当て、溢れる涙を堪えた。




流星が運転席から腕を伸ばして、私を抱き締める。




雨が再び強さを含み、フロントガラスを叩きつける。私たちから、他人を遠ざけるようだった。

流星の唇が私の左頬を滑り、
「愛してる」と放った後、私の唇を塞いだ。

抵抗なんて、安っぽく意味がない気がした。


込み上げる感情に、理性も…全てが輪郭を崩し始め、波を、流星を全身で求めた。



『サヨナラ』



この意味しかない。







雨がカーテンになった車という密室。
中途半端に脱いだ服。


微かな月明かりに照らされた半裸体は、流星の愛撫によって隠された。

聞こえるのは雨の音と、鼓動に似た吐息だけだった。