水に燃え立つ螢

太陽が…朝日なのに、夕日みたくオレンジで、街がとても静かに見えた。

穏やかで、空気が澄んでいて、優しく心を包んでいた。



ふと振り返り、産まれ育った家を見た。


庭なんてなかった家。遊ぶ時は必ず、この玄関を出た道路だった。

門に縄跳びをくくりつけ、もう片方を母が持ちクルクルと回す。
何度も足を取られては、何度も笑って頑張れと言った母。


遊び相手は母だった。

毎朝、此処から私を見送り続けた。


オレンジに染まった家は、母の面影を写し

『いってらっしゃい』

そう言ってるように見えた。



母さん、私は強くなりましたか?



私はもう、逃げない迷わない。


凛として生きる。



これが私に与えられた道であり、全うすべきものも見えてくるだろう。


誰にどんな評価をされても、私は私なんだ。




私以外にはなれないんだ。







新しい家は、歩いて二十分くらいにあり、部屋は2DKと一人では広め。
ベランダは南向きで、部屋中に光が降り注ぐ。


「花でも植えよう」


此処が、私のスタート地点だ。