水に燃え立つ螢

流星の掻き乱れた心は、そのまま顔に表れていた。


恐らく、別れた時には妊娠を知らずにいたのだろう。



「あのね、流星」


返事を待ったが、返事はなかった。


「私が横から入ったんだよ。彼女から流星を奪ったんだ」

「だから何なんだよ!」

「帰らなきゃ」

「できない…!」

「流星ッッ!!」



抑えていた感情が爆発しそうだった。



「お前が此処にいないなら!お前を知らなければ!俺は父親にでも、何にでもなってやる!…無理なんだよ…心がついてかねぇよ…」

「もう、誰からも、何も奪いたくないの…」













「私の気持ちは、変わらないわ」




夜の静かな雑音が煩く感じるほどに、部屋の中が無音だった。



肩を落とした流星に近づき、そっと背中を撫でた。



「あいつに会って、確かめてくるよ…それからでも…いいよな…」

「…うん」



彼女の妊娠は確信していた。



流星と生きていけないのは、確実に私だ。