水に燃え立つ螢

流星はいつもと変わらない時間に帰宅した。普段なら夕食の準備をしている私が、何もしないで、ただ、座っていることに

流星は『何か』気付いていた。


それでも、いつも通り先にお風呂に入って行った。


『私から切り出すの?』


この問いに立ち止まったまま、私はただ、呼吸だけを繰り返した。




流星の前から姿を消す方が楽だった。

しかし、同じことは二度繰り返せない。

そして、真実は流星の口から聞くべきだ。




流星は裸にタオル一枚で上がってきた。


「どーした?」


優しい声…なのに、潰されそうな私。


「飯、食いに行くか?」

「…いらない」

「具合悪いのか?」




何を、どう、聞けばいいのか。
握り締めた拳に、言葉が潰れていく。

聞かない方が楽だ。

聞きたいことじゃない。

本当は聞きたくない。


だが、それでは駄目なんだ。





「流星…」

「ん?」


私は流星を失うんだ…


「あのね…」

「凛?」


話したら、終わってしまうんだ…