水に燃え立つ螢

母の病室を出て、先生の話を聞きに行った。ナースステーションの隣に、病室ではない個室があり、そこで説明を受けた。


「手術しても三ヶ月、しなかったら一ヶ月」




余りにも短い余命宣告だった。





「今まで、かなりの痛みがあった筈なんですが…」

「知りません…でした」




情けない…


情けなくて、

命の限りがすぐ其処にあって、元気だった母の記憶しかなくて…




涙が



止まらない





私は

母に

何ができるんだろう…




「手術は、されない方が良いと思います」


母の今の体力と余命を考え、わざわざ苦しい思いをさせない方が良いらしい…



生きる望みは0%だった。


母の命は、果てに向かって加速していた。




病室に戻ると、流星と楽しそうに笑っている母。


この声も、この笑顔もなくなるなんて…




私に気付いた母の顔が少し曇ったことに、私は気付かなかった。