水に燃え立つ螢

翌日、数日分の衣類を鞄に詰め込み、空席のあった新幹線で東京に向かった。

東京まで約二時間。


「週に一度は顔出してたんだ」


母の様子見がてら、店に行っていた流星。どれだけ頼んでも、どれだけ頭を下げても、母は私の居場所を教えなかったとか。

流星がいつものように店を訪れると母の姿はなく、不穏な空気を感じた流星が狭い店内を探し始めると、カウンター内で倒れていたらしい。


救急車で病院に向かう時、私の居場所と携帯が変わっていないと告げ、病院に着くとすぐに検査に入った。


身内は傍にいないので、流星が説明を受けてくれていた。


病名は『胃癌』


末期状態で、手術をしても長くないだろうと…




病室で点滴を受ける母に、本当のことは言えなかったと…

涙を堪えて、流星は言った。


「凛に、伝えてくれと…」

「…うん」

「自分を信じなさい…と」



もう、言葉にならなかった。



「お前…聞こえるか?お母さんの…声…」