水に燃え立つ螢

「何で番号変えてねぇの?」


ずっと会話していたような、流星の柔らかな声。
懐かしさが込み上げて、動けずに、繋がった電話を握り締めていた。


「凛?」

「…あ…ビックリした」

「俺、今、大阪」

「は?」

「迷子になっちまった」

「な…何で?」

「迎えに来てくんねぇ?」

「バッ…馬鹿じゃないの!」

「お前よりマシ」


話を聞くと、流星は新大阪付近にいるようだ。
適当にホテルに泊まれと言ったが、慌てて新幹線に乗り持ち合わせがないらしい。
仕方なく…だけど、緊張しながら新大阪に向かった。

とは言え、簡単に見つからない。
流星に電話をして、駅まで戻れないか聞いてみた。


「戻れねぇから迷子なんだよ」

「誰かに聞けばいいでしょ!」

「あ…そか」

「馬鹿ッ!」



新大阪。

駅に着いて、流星を見つけるまで時間はかからなかった。



また、流星も私の姿を見つけていた。



「髪…伸びたな」



少し大人になった流星と、髪が伸びただけの私。

大阪で再会した日。