水に燃え立つ螢

大阪に出てきて一年四ヶ月。
東京に比べて、とても暑い夏が過ぎた。

部屋にクーラーをつけずにいた私は、やっと訪れた秋にホッとしていた。三件のバイトは継続中で、色んな出会いもあった。
中でもレンタルビデオ屋でのバイトはかなり楽しく、バイト仲間で呑むこともあった。

その中で、他のバイトとは明らかに違う存在の男がいる。


陽一。


気ままに互いの部屋を行き来する仲だが、彼氏ではない。仲間と呑んだ後は、必ず部屋に来る。


「クーラー買うたらえーのに」

「お金ないんだって」


クーラーなしの部屋、汗だくになりながら何度も身体を重ねた。私が上にならない限り、陽一の汗は顔や身体に落ちてくる。


それが気になって仕方ない。
そして流星を思い出して仕方ない。

あんな波を感じることはなくなった。

陽一じゃイケない。

なのに陽一は聞いてくる。


「気持ち良かった?」


返事、いつも困るんだよ。いちいち聞くなよ。


そんな関係が半年も続いていた。