水に燃え立つ螢

母には居場所を告げた。

誰かが尋ねて来ても、絶対教えないでと強く言っておいた。


流星は何度か店を訪れたらしい。




大阪に着いて、土地勘のない私が真っ先に探したのは寝る場所だった。ある程度貯めておいたお金で、先ずは不動産屋に入った。

パソコンで条件に合う部屋を見せてくれる。

何軒か見た後、保証金なしの部屋があり、実際に見せてもらうことにした。


アパートという言葉が適切な建物。コンクリートの壁には、長年の染みやヒビが幾数もついている。その3階の角部屋が空いていた。

不動産屋が鍵を開けた。

短い廊下の先に、六畳の畳の部屋がひとつある。その手前にキッチンとトイレ、お風呂だ。窓は南向きで、小さいベランダらしきものもある。



「此処にします」


決めた。



贅沢はいらない。
私の場所があれば、それでいい。


部屋は即日入居できるが、手続き上2日後の入居になった。