水に燃え立つ螢

流星との身体の関係は、たった一度きりで、時間だけが過ぎていた。


時任の話から、流星は私に触れなくなっていた。



それはそれで、何故か救われた。



だが


私は


分からなくなっていた。





これが、愛なのかどうか。





そして、時任と再会の日を迎えた。
銀行で引き出しを済ませ、振り返ると時任が立っていた。


「久しぶり」
と笑って。



戸惑いなんか、なかった気がする。


この街にいると、こんな風に出会うと覚悟していたから。



「元気かい?」

「時任さんこそ」

「僕は毎日同じ繰り返しさ」




大人のくせに照れたように笑うところ、変わってなかった。



「凛ちゃん、痩せたね」

「痩せた…かな」



銀行の中で、可笑しな構図が想像できた。
とりあえず銀行を出て、人気のない脇道へ入った。



「幸せかい?」

「うん」



ううん、なんて言わない。
例え、幸せじゃなくても。

時任にはもう隙は見せない。