水に燃え立つ螢

実家から歩いて数十分の場所に、丁度良い部屋が空いていた。


引越しは、流星がトラックを借りて新婚みたく楽しい引越しになった。


傍に戻った私に、母親は戸惑いながらも満面の笑みで喜んでくれた。



流星は、やはり毎日部屋に来ては話をして帰っている。

私たちは一線を越えていない。


私は流星の彼女ではないし、流星は私の彼氏ではないからだ。



流星も言葉にしなくなった。

だが、分かる。


『想われている』


と。



今はこれで充分だった。





ある晴れた日の午後、母の日のプレゼントを買う為、ブラブラと買い物に出掛けた。


何が喜ぶか、全く検討がつかずウロウロしていた。



疲れてきた為、屋外の喫煙所で煙草を吸うことにした。




空が真っ青で、空気が新鮮に感じた。

今日も流星は来るだろう。

何も求めない真っ直ぐな心で。



携帯が鳴った。



だが、戸惑いで目眩がした。



着信を確認しなくても分かる。



この着信は、




時任だ。