水に燃え立つ螢

流星は、パンを食べても居座っていた。


さすがに身体が気持ち悪いので、流星を放ってシャワーを浴びる。


一人なら全裸で歩く部屋。

しかし、今日は流星がいる。


何だか慣れない『隠す』行為に、戸惑いながらもシャワーを浴びた。



テレビを見ていた流星が、

「花見行かねぇ?」

と聞いてきた。


「行かない」

即答の私。


「生きてんのかよ」

「これでもね」



半乾きの髪で流星の前に座り、煙草に火をつけた。


「お前吸ってた?」

「吸うようにしたの」

「馬鹿じゃん」

「アンタもね」



暫くテレビの音声だけが響く。


あの夜景の夜のように、また息が抜けなくなった。



「凛」



流星の呼びかけに、身体が驚いた。


「何?」

「俺と付き合えよ」

「いきなり何なのよ」

「いきなりじゃねぇよ」

「付き合わない!!」

「弟だから?」




『そう…弟だから』




だけど、言わなかった。



言いたくなかった。


理由は、


流星を失いきりたくなかった。