水に燃え立つ螢

流星の気持ち、知らないわけでも分からないわけでもない。



だが、素直に受け止められない。



時任の義理の弟なら、尚更、甘えられない。




軽くシャワーを浴び、バイトに向かった。




遅い昼休みで、事務所で携帯を開いた。

時任からメールが来ていた。


『今週末行くよ』


厄介な問題が、一番大きな問題が、残っていた。

もう、時任を受け入れるわけにはいかない。


メールの返事は、しないで放置した。



夕方、バイトが終わり、徹夜のダルさが身体を包んでいた。

『今日は早く寝よう』


家に戻り、湯船に浸かって疲れを癒した。


火照った身体は、真冬の寒さにすぐに冷え始める。



濡れた髪の水分を、タオルで拭き取っていると、携帯が鳴った。


明らかに時任からの着信だ。


『放置してたからな…』


仕方なく電話に出た。



「凛ちゃん?」

「…」

「返事がないから心配したよ」

「……」

「どうしたの?」

「もう……もう来ないで」




時任は、何も言わず黙った。