バイトから部屋に戻ると、母から手紙が届いていた。
マフラーから出る鼻や耳が、寒さで感覚をなくしていて、手紙よりも先に、ファンヒーターをつける。
母からの手紙を手にして
「携帯あんのに」
と、呟きながら、無造作に封筒を開け、手紙を取り出す。
『来月の成人式。振袖用意してあります。お願いだから、成人式には戻って出て欲しいの』
成人式かぁ…大人だな私も…。
しかし、流星のいる町に帰るつもりはなかった。
『今更、ばったり出会ったらどーすんだよ…』
母の手紙を封筒に入れ、手紙を入れてある箱に適当に入れた。
携帯を手に取り、母の店に電話をかける。
短いコールで母は電話口に出た。
「暇なの?」
「今日はたまたまよ」
「いつも『たまたま』じゃん」
「今日もたまたまなの」
「手紙見た」
「帰って来るの?」
「その日、バイト」
「…そう…そうなの」
母の落胆が見えた。
駄目だ…上手く娘でいられない。
「帰りたくないから」
そう言って電話を切った。
薄情な娘だよ私は…。
無理して振袖を揃えたんだろう母の、気持ちに応える程、私に余裕は無かった。
今から思えば、どの時も、私たち親子は母と娘であった。
他の母娘より、少し擦れ違い、理解し合う程、会話がなかっただけだ。
母の夢は知っていた。
成人式の振袖は、母の古い振袖をリメイクし、私が着ること。
それを、忘れたわけではないが、素直になれない。帰れない。
母に非など全くないというのに…。
マフラーから出る鼻や耳が、寒さで感覚をなくしていて、手紙よりも先に、ファンヒーターをつける。
母からの手紙を手にして
「携帯あんのに」
と、呟きながら、無造作に封筒を開け、手紙を取り出す。
『来月の成人式。振袖用意してあります。お願いだから、成人式には戻って出て欲しいの』
成人式かぁ…大人だな私も…。
しかし、流星のいる町に帰るつもりはなかった。
『今更、ばったり出会ったらどーすんだよ…』
母の手紙を封筒に入れ、手紙を入れてある箱に適当に入れた。
携帯を手に取り、母の店に電話をかける。
短いコールで母は電話口に出た。
「暇なの?」
「今日はたまたまよ」
「いつも『たまたま』じゃん」
「今日もたまたまなの」
「手紙見た」
「帰って来るの?」
「その日、バイト」
「…そう…そうなの」
母の落胆が見えた。
駄目だ…上手く娘でいられない。
「帰りたくないから」
そう言って電話を切った。
薄情な娘だよ私は…。
無理して振袖を揃えたんだろう母の、気持ちに応える程、私に余裕は無かった。
今から思えば、どの時も、私たち親子は母と娘であった。
他の母娘より、少し擦れ違い、理解し合う程、会話がなかっただけだ。
母の夢は知っていた。
成人式の振袖は、母の古い振袖をリメイクし、私が着ること。
それを、忘れたわけではないが、素直になれない。帰れない。
母に非など全くないというのに…。

